透き通る季節の中で
部屋で期末テストの勉強をしていたとき、千春が私の知らない男性を連れて部屋に入ってきた。
名前は、松山達也くん。千春の同級生で彼氏だという。
髪は茶髪で派手目な服を着ている。
見た目はガラが悪いけど、愛想はいい。
私のことを、お姉さん、お姉さん。と呼んでくる。
挨拶も受け答えもしっかりしている。
いきなり彼氏を部屋に連れてくるなんて……。
まだ中二なのに、マセている。私はそう思いながら、黙々とテスト勉強を続けた。
「あいつ、バカだよな」
「本当にバカだよね」
私が勉強しているのに、千春と達也くんは、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、おしゃべりしている。
「明日もからってやろうぜ!」
「うん! からかおう!」
千春と達也くんの笑い声が聞こえてくる。とても耳障りな笑い声。気が散って勉強に集中できない。
千春も期末テストが近いというのに、彼氏と遊んでいるなんて……。
いったいどういう神経をしているのか。
私は呆れてしまい、ジョギングウェアに着替えて家を出た。
外は小雨が降っている。
しとしとと降り続いている。
空全体が厚い雲に覆われていて、星は一つも見えない。
私はいつもの道を走り、家に帰ってシャワーを浴びた。
達也くんは帰ったのだろうか。部屋には千春しかいない。
二段ベッドの上で漫画を読んでいる。
「千春、ちょっと話があるから、ベッドから降りてきなさい」
「めんどくさいから、ここで聞くね」
千春の態度に私はムッとした。
「彼氏が出来て、嬉しいのはわかるけど、ちゃんと勉強もしなさいね」
強い口調で言ってみたものの、千春は聞く耳を持とうとしない。
私の言ったことは無視して、漫画を読んでいる。
「自分の部屋が欲しいな」
千春がつぶやくように言った。
私だって、自分の部屋が欲しい。一人だけの空間が欲しい。
あんたなんかと同じ部屋は嫌なんだよ。と千春に言ってやりたかったけど、ぐっと堪えた。
名前は、松山達也くん。千春の同級生で彼氏だという。
髪は茶髪で派手目な服を着ている。
見た目はガラが悪いけど、愛想はいい。
私のことを、お姉さん、お姉さん。と呼んでくる。
挨拶も受け答えもしっかりしている。
いきなり彼氏を部屋に連れてくるなんて……。
まだ中二なのに、マセている。私はそう思いながら、黙々とテスト勉強を続けた。
「あいつ、バカだよな」
「本当にバカだよね」
私が勉強しているのに、千春と達也くんは、ぺちゃくちゃぺちゃくちゃ、おしゃべりしている。
「明日もからってやろうぜ!」
「うん! からかおう!」
千春と達也くんの笑い声が聞こえてくる。とても耳障りな笑い声。気が散って勉強に集中できない。
千春も期末テストが近いというのに、彼氏と遊んでいるなんて……。
いったいどういう神経をしているのか。
私は呆れてしまい、ジョギングウェアに着替えて家を出た。
外は小雨が降っている。
しとしとと降り続いている。
空全体が厚い雲に覆われていて、星は一つも見えない。
私はいつもの道を走り、家に帰ってシャワーを浴びた。
達也くんは帰ったのだろうか。部屋には千春しかいない。
二段ベッドの上で漫画を読んでいる。
「千春、ちょっと話があるから、ベッドから降りてきなさい」
「めんどくさいから、ここで聞くね」
千春の態度に私はムッとした。
「彼氏が出来て、嬉しいのはわかるけど、ちゃんと勉強もしなさいね」
強い口調で言ってみたものの、千春は聞く耳を持とうとしない。
私の言ったことは無視して、漫画を読んでいる。
「自分の部屋が欲しいな」
千春がつぶやくように言った。
私だって、自分の部屋が欲しい。一人だけの空間が欲しい。
あんたなんかと同じ部屋は嫌なんだよ。と千春に言ってやりたかったけど、ぐっと堪えた。