透き通る季節の中で
 千春の態度は相変わらずのまま。
 ろくに勉強もせず、遊んでばかりいる。
 どんなに厳しく言っても、私の言うことには聞く耳を持とうとしない。

 姉妹の会話は日に日に減っていく。
 千春は、おはようもおやすみも言わなくなってしまった。


 このままでは、千春の将来が心配。
 ひねくれた性格の人間になってしまうのではないかと。


 
 千春が性行為をしていたことは黙っておいて、お父さんとお母さんに相談してみた。

「思春期だから、仕方ないんじゃないか」
 お父さんは教育に無関心というわけじゃないけど、とにかく千春には甘い。

「もう少し、様子を見ましょうか」
 私には勉強しなさい。と言うくせに、お母さんも千春には甘い。

 このとき、私は家を出たいと思った。
 一日でも早く家を出て、一人暮らしをしたい。
 
 私はまだ高校一年生。
 一人暮らしをする経済力はない。
 アルバイトをしたら、部活に行けなくなってしまう。
 自立できるようになるまで、この家で我慢して暮らすしかない。
 


 学校は楽しい。
 部活は最高に楽しい。
 五人での競争も楽しい。
 学校と部活が私の居場所。
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