透き通る季節の中で
 部屋で山下くんの詩を読んでいたとき、私の携帯電話が鳴った。

 山下くんからのメールだった。



 こんばんは。どうもお疲れ様です。
 今日はすごく楽しかったです。
 ファミレスでの食事会を振り返りながら、詩を書いています。

 もしよかったら、今度の日曜日に一緒に出かけませんか。
 佐藤さんを連れて行きたい所があるんです。
 お返事、待っています。



 私は驚きながら喜んだ。こうなることを待ち望んでいたのかもしれない。



 こんばんは。どうもお疲れ様です。
 私もすごく楽しかったです。
 またみんなで食事ができるといいですね。

 お誘いをありがとうございます。
 どこに連れて行ってくれるのか、とても楽しみです。
 よろしくお願いします。



 山下くんとメールでやり取りを続けて、日曜日に二人で出かけることになった。
 
 どこに連れて行ってくれるのかは、当日までのお楽しみだという。


 美咲にメールで報告したところ、「良かったじゃん。おもいっきり楽しんできてね」との返事が返ってきた。

 友紀にもメールで報告したところ、「やっぱり、デキてたんじゃん。咲樹と山下くんに見つからないように、こっそりついていこうかな」との返事が返ってきた。


 私はなんだか嬉しくなって、クローゼットから服を引っ張り出した。

 何を着ていこうか迷ってしまう。
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