透き通る季節の中で
 そんな中、まっちゃんから嬉しい知らせを受けた。

 来年の六月、春日さんと結婚するという。

 七年間の交際を経てのゴールイン。

 結婚式は、親族と親友のみで行うとのことで、私も招待してくれるという。

 ただただおめでたい。喜ばしい気持ちでいっぱい。

 まっちゃんと春日さんなら、幸せな家庭を築くと思う。



 理想が高いのか、友紀は付き合っては別れての繰り返し。

 彼氏と別れる度に、合コンに行こうよ。と言って、私を誘ってくる。

 合コンとかではなく、自然な出会いをしたい。私は友紀の誘いを断り続けた。



 美咲は相変わらずフリーのまま。誰とも付き合わず、幼稚園の先生を続けている。

 食事会の席では、いつも園児のことを話している。

 恋の話になると、口数が少なくなる。

 好きな人がいるのかいないのかもわからない。



「前からずっと思ってたんだけどさ、美咲はレズなんじゃないの?」
 友紀がニヤついた顔で言った。

「レズなわけないじゃん。幼稚園の先生は忙しいのよ。恋をしている暇なんてないの」
 美咲は冷静な顔で説明した。

「忙しいのは、理由にならないと思うな」
 友紀が言ったことに対して、美咲は何も反応せず、この間行ったという、遠足の話を始めた。



 美咲の恋人は、可愛らしい幼稚園児たち。

 幼稚園の先生という仕事に、やりがいを感じているのだと思う。

 私はそう思うようにした。
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