透き通る季節の中で
携帯の着信音で目が覚めた。
部屋の時計は、午前一時三十三分。
こんな夜中に誰だろうと思いながら、携帯の画面を見ると、友紀だった。
私は眠たい目を擦りながら電話に出た。
「もしもし」
「ごめん。寝てた?」
「寝てたよ。こんな時間にどうしたの?」
「あれから、どうなったのかと思ってさ」
「あれからって?」
「見てたわよ。料理も食べずに、安藤さんと楽しそうに話してたじゃない」
「ああ、そのことね。あれから真っ直ぐ家に帰ったよ」
「本当に?」
「本当だよ」
「なーんだ」
「なーんだって何よ」
「安藤さんを気に入ったのかと思ってさ」
「…………」
「ああー、何も言わないってことは、やっぱり気に入ったのね」
「……気に入ったとかじゃなくてさ」
「誤魔化そうとしても無駄だよ。安藤さんの携帯番号とメアドを椎名に教えてもらうね」
「そんなことしなくていいよ」
「それじゃあ、咲樹の携帯番号とメアドを椎名から安藤さんに伝えてもらうおうか」
「そんなことしなくていいってば!」
「じゃあ、またね。おやすみ」
「もしもし! もしもし! もしもし! もしもし! もしもし!」
ツーツー音しか聞こえない。
友紀は携帯を切ってしまった。
何度電話しても出ない。
メールを送っても、返事は返ってこない。
どうにもこうにも眠ることができず、世が明けてしまった。
部屋の窓から、美しい朝焼けが見える。
寝不足だけど、早朝ジョギングに出発。
真夏のジョギングは、汗の量が半端じゃない。
こまめに水分補給しないと、熱中症になってしまう恐れがある。
どうしてこんなに暑い中を走っているのか。
ジョギングをしない人からしてみれば、不思議に思うと思う。
それでも私は走る。
暑い中を走る。
風を感じながら走る。
自己ベストを更新したいから走る。
走ることが好きだから走る。
部屋の時計は、午前一時三十三分。
こんな夜中に誰だろうと思いながら、携帯の画面を見ると、友紀だった。
私は眠たい目を擦りながら電話に出た。
「もしもし」
「ごめん。寝てた?」
「寝てたよ。こんな時間にどうしたの?」
「あれから、どうなったのかと思ってさ」
「あれからって?」
「見てたわよ。料理も食べずに、安藤さんと楽しそうに話してたじゃない」
「ああ、そのことね。あれから真っ直ぐ家に帰ったよ」
「本当に?」
「本当だよ」
「なーんだ」
「なーんだって何よ」
「安藤さんを気に入ったのかと思ってさ」
「…………」
「ああー、何も言わないってことは、やっぱり気に入ったのね」
「……気に入ったとかじゃなくてさ」
「誤魔化そうとしても無駄だよ。安藤さんの携帯番号とメアドを椎名に教えてもらうね」
「そんなことしなくていいよ」
「それじゃあ、咲樹の携帯番号とメアドを椎名から安藤さんに伝えてもらうおうか」
「そんなことしなくていいってば!」
「じゃあ、またね。おやすみ」
「もしもし! もしもし! もしもし! もしもし! もしもし!」
ツーツー音しか聞こえない。
友紀は携帯を切ってしまった。
何度電話しても出ない。
メールを送っても、返事は返ってこない。
どうにもこうにも眠ることができず、世が明けてしまった。
部屋の窓から、美しい朝焼けが見える。
寝不足だけど、早朝ジョギングに出発。
真夏のジョギングは、汗の量が半端じゃない。
こまめに水分補給しないと、熱中症になってしまう恐れがある。
どうしてこんなに暑い中を走っているのか。
ジョギングをしない人からしてみれば、不思議に思うと思う。
それでも私は走る。
暑い中を走る。
風を感じながら走る。
自己ベストを更新したいから走る。
走ることが好きだから走る。