透き通る季節の中で
川沿いの道を走っていたとき、ジョギングポーチに入れている携帯が鳴った。
着信鳴動時間が短い。
日曜日にメールを送ってくる人は、美咲か友紀かまっちゃんか春子さん。
私は立ち止まって、携帯の画面を見た。
電話帳に登録していないアドレス。
件名に、こんにちは。お休み中にすみません。と書かれている。
どうやら、迷惑メールではなさそう。
誰からのメールだろうと思いながら、本文を開いてみた。
突然のメールをお許しください。
ひと月ほど前、合コンでお会いした安藤です。
僕のことを覚えていらっしゃいますか。
あの日の夜遅く、友紀さんからメールが来まして、そのメールに、佐藤さんの携帯電話番号とメールアドレスが書かれていました。
連絡しようかどうか、ひと月ほど悩み、今日、思い切って連絡してみました。
もしよろしければ、来週の日曜日にでもお会いしませんか。
連絡をお待ちしております。
安藤新地
安藤さんからの突然の連絡に、私はただただ驚くばかり。
来週の日曜日は、練習会の予定。
どうしようか、空を見上げながら考えた。
文字を打ち間違えないように落ち着いて。
こんにちは。ご連絡をありがとうございます。と件名。
来週の日曜日ですね。予定は何もありません。
お誘いいただいて、ありがとうございます。
と本文。
件名も本文も短い文だけど、打ち間違えがないか、何度も確かめた。
緊張しながら送信したところ、すぐに返事が返ってきた。
お返事をありがとうございます。と件名。
とても嬉しいです。
一緒にツーリングに行きませんか。
待ち合わせ場所は、合コンの時の駅でいいですか。
待ち合わせ時間は、朝の十時でいいですか。
と本文。
わかりました。と件名。
待ち合わせ場所は、あの時の駅で、待ち合わせ時間は、朝の十時ですね。
どんな服装で行けばいいですか。
と本文。
走っているときは、風が冷たいので、長袖を着てきてください。
下はジーンズがいいと思います。
佐藤さんのヘルメットは、こちらで用意します。
わかりました。
楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
何やら写真が添付されている。
格好良いオートバイの写真。
名前は確か、CBR。排気量は、400cc。
オートバイの写真を保存して、安藤さんのアドレスを電話帳に登録した。
さあ、走ろう。
私は心の中で声を上げた。
来週の今頃は、安藤さんのオートバイに乗っているはず。
走っているときに感じる風と、オートバイに乗っているときに感じる風は、ぜんぜん違うと思う。
どんな風を感じられるのだろう。
そう思いながら、私は暑い中を走り続けた。
気分が良いせいか、足取りが軽い。
蝉の鳴き声も心地よく聞こえる。
雲のない青空が眩しい。
着信鳴動時間が短い。
日曜日にメールを送ってくる人は、美咲か友紀かまっちゃんか春子さん。
私は立ち止まって、携帯の画面を見た。
電話帳に登録していないアドレス。
件名に、こんにちは。お休み中にすみません。と書かれている。
どうやら、迷惑メールではなさそう。
誰からのメールだろうと思いながら、本文を開いてみた。
突然のメールをお許しください。
ひと月ほど前、合コンでお会いした安藤です。
僕のことを覚えていらっしゃいますか。
あの日の夜遅く、友紀さんからメールが来まして、そのメールに、佐藤さんの携帯電話番号とメールアドレスが書かれていました。
連絡しようかどうか、ひと月ほど悩み、今日、思い切って連絡してみました。
もしよろしければ、来週の日曜日にでもお会いしませんか。
連絡をお待ちしております。
安藤新地
安藤さんからの突然の連絡に、私はただただ驚くばかり。
来週の日曜日は、練習会の予定。
どうしようか、空を見上げながら考えた。
文字を打ち間違えないように落ち着いて。
こんにちは。ご連絡をありがとうございます。と件名。
来週の日曜日ですね。予定は何もありません。
お誘いいただいて、ありがとうございます。
と本文。
件名も本文も短い文だけど、打ち間違えがないか、何度も確かめた。
緊張しながら送信したところ、すぐに返事が返ってきた。
お返事をありがとうございます。と件名。
とても嬉しいです。
一緒にツーリングに行きませんか。
待ち合わせ場所は、合コンの時の駅でいいですか。
待ち合わせ時間は、朝の十時でいいですか。
と本文。
わかりました。と件名。
待ち合わせ場所は、あの時の駅で、待ち合わせ時間は、朝の十時ですね。
どんな服装で行けばいいですか。
と本文。
走っているときは、風が冷たいので、長袖を着てきてください。
下はジーンズがいいと思います。
佐藤さんのヘルメットは、こちらで用意します。
わかりました。
楽しみにしています。
どうぞよろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
何やら写真が添付されている。
格好良いオートバイの写真。
名前は確か、CBR。排気量は、400cc。
オートバイの写真を保存して、安藤さんのアドレスを電話帳に登録した。
さあ、走ろう。
私は心の中で声を上げた。
来週の今頃は、安藤さんのオートバイに乗っているはず。
走っているときに感じる風と、オートバイに乗っているときに感じる風は、ぜんぜん違うと思う。
どんな風を感じられるのだろう。
そう思いながら、私は暑い中を走り続けた。
気分が良いせいか、足取りが軽い。
蝉の鳴き声も心地よく聞こえる。
雲のない青空が眩しい。