透き通る季節の中で
 部屋食にしておいて良かったと思う。

 ちゃとらんも一緒に食べられるから。

 山間部の旅館だけど、魚料理がいっぱい。

 姉さんと私は、日本酒。ちゃとらんは、牛乳。

 三人で乾杯した。



「美味しい?」

「にゃにゃにゃん」

 ちゃとらんも美味しそうに食べている。



 動物は、人間より寿命が短い。

 まだまだ先のことだと思うけど、ちゃとらんもいつかは死を迎える。

 いつか必ず別れの日がやって来る。

 そのとき、姉さんは、どうするのだろうか。

 それでも、旅を続けるのだろうか。

 姉さんは強い人だから、私が心配しなくても大丈夫だと思う。
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