透き通る季節の中で
よく晴れた日曜日。
カモメの写真を撮りに、海に向かった。
途中でコンビニに寄って、かっぱえびせんを二袋買った。一袋は、カモメにあげる用。もう一袋は、自分で食べる用。
海風は冷たいけど、日差しは暖かい。
何が釣れるのだろうか、防波堤で釣りをしている人たちがいる。
何を撮っているのだろうか、私のようにカメラを持っている人がいる。
大きなテトラポットに座って、日向ぼっこを楽しんでいる人もいる。
私もテトラポットに座り、かっぱえびせんを食べながら、カモメの飛来を待った。
一袋食べ終わる頃、沖の方から、カモメのような鳥の群れが飛んできた。
その鳥の群れは、防波堤の方に向かって飛んでくる。
最大限のズームで撮影。すぐに画面で確認。
ウミネコでもユリカモメでもセグロカモメでもない。確かにカモメ。くちばしと毛の色で見分けがつく。
東京湾のカモメたち。
いつの間にか、数羽のカモメが防波堤の上空を旋回している。
今が絶好のチャンス。
思いっきり腕を振って、カモメに向かって、かっぱえびせんを投げてみた。
上空から一気に急降下。
ナイスキャッチ!
思わず心の中で叫んでしまうほど、かっぱえびせんのキャッチが上手。
可愛くて楽しくて仕方がない。
続けて何度もかっぱえびせんを投げてみた。
どのカモメもかっぱえびせんのキャッチが上手。
ナイスキャッチの連続。一つも海に落とさない。
「ねえ、おばさん。あの鳥に何をあげてるの?」
小学三年生くらいだろうか、野球帽の男の子が私に尋ねてきた。
「かっぱえびせんだよ」
と言って、野球帽の男の子に、かっぱえびせんの袋を見せてみた。
「ふーん。鳥って、かっぱえびんせんも食べるんだね」
野球帽の男の子は、関心した様子で空を見上げている。
その様子を見ていて、良いアイデアが浮かんだ。
「君もカモメにかっぱえびせんをあげてみる?」
「うん。あげてみたい」
なんだか嬉しそうにしている野球帽の男の子に、未開封のかっぱえびせんを手渡した。
「一つずつ投げてね」
「うん。一つずつ投げればいいんだね」
野球帽の男の子は、嬉しそうにしながら、かっぱえびせんをカモメに向かって投げ始めた。
三つくらい連続で投げて、一つは自分で食べる。その繰り返し。
狙うのは、カモメがくちばしでかっぱえびせんをキャッチする瞬間。
パシャ! パシャ! パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
私は夢中でシャッターを切り続けた。
スマホでもカモメの写真を撮った。
カモメに向かって、かっぱえびせんを投げ続けている野球帽の男の子の写真も撮った。
「かっぱえびせん、なくなっちゃった」
野球帽の男の子が残念そうな声でつぶやいた。
もっとかっぱえびせんを食べたいのだろうか、一羽のカモメが私たちの周りを旋回し続けている。
そのカモメに『食いしん坊ちゃん』と勝手に名前を付けてみた。オスなのか、メスなのかはわからない。
甲高い鳴き声を上げながら、私たちの周りを旋回し続けている食いしん坊ちゃんの顔をアップで撮ってみた。
額に、薄い灰色の丸のような模様がある。
「かっぱえびせん! もうないのよ!」
食いしん坊ちゃんに向かって叫んでみた。
かっぱえびせんがないことがわかったのか、食いしん坊ちゃんは、甲高い鳴き声を上げて、群れに戻っていった。
食いしん坊ちゃん、またね。
手を振りながら、心の中でつぶやいた。
野球帽の男の子も手を振っている。
カモメと仲良くなれた気がして嬉しい。
私もお腹が減ってきた。
この近くに、かもめ食堂があればいいなって思う。
カモメの写真を撮りに、海に向かった。
途中でコンビニに寄って、かっぱえびせんを二袋買った。一袋は、カモメにあげる用。もう一袋は、自分で食べる用。
海風は冷たいけど、日差しは暖かい。
何が釣れるのだろうか、防波堤で釣りをしている人たちがいる。
何を撮っているのだろうか、私のようにカメラを持っている人がいる。
大きなテトラポットに座って、日向ぼっこを楽しんでいる人もいる。
私もテトラポットに座り、かっぱえびせんを食べながら、カモメの飛来を待った。
一袋食べ終わる頃、沖の方から、カモメのような鳥の群れが飛んできた。
その鳥の群れは、防波堤の方に向かって飛んでくる。
最大限のズームで撮影。すぐに画面で確認。
ウミネコでもユリカモメでもセグロカモメでもない。確かにカモメ。くちばしと毛の色で見分けがつく。
東京湾のカモメたち。
いつの間にか、数羽のカモメが防波堤の上空を旋回している。
今が絶好のチャンス。
思いっきり腕を振って、カモメに向かって、かっぱえびせんを投げてみた。
上空から一気に急降下。
ナイスキャッチ!
思わず心の中で叫んでしまうほど、かっぱえびせんのキャッチが上手。
可愛くて楽しくて仕方がない。
続けて何度もかっぱえびせんを投げてみた。
どのカモメもかっぱえびせんのキャッチが上手。
ナイスキャッチの連続。一つも海に落とさない。
「ねえ、おばさん。あの鳥に何をあげてるの?」
小学三年生くらいだろうか、野球帽の男の子が私に尋ねてきた。
「かっぱえびせんだよ」
と言って、野球帽の男の子に、かっぱえびせんの袋を見せてみた。
「ふーん。鳥って、かっぱえびんせんも食べるんだね」
野球帽の男の子は、関心した様子で空を見上げている。
その様子を見ていて、良いアイデアが浮かんだ。
「君もカモメにかっぱえびせんをあげてみる?」
「うん。あげてみたい」
なんだか嬉しそうにしている野球帽の男の子に、未開封のかっぱえびせんを手渡した。
「一つずつ投げてね」
「うん。一つずつ投げればいいんだね」
野球帽の男の子は、嬉しそうにしながら、かっぱえびせんをカモメに向かって投げ始めた。
三つくらい連続で投げて、一つは自分で食べる。その繰り返し。
狙うのは、カモメがくちばしでかっぱえびせんをキャッチする瞬間。
パシャ! パシャ! パシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャパシャ!
私は夢中でシャッターを切り続けた。
スマホでもカモメの写真を撮った。
カモメに向かって、かっぱえびせんを投げ続けている野球帽の男の子の写真も撮った。
「かっぱえびせん、なくなっちゃった」
野球帽の男の子が残念そうな声でつぶやいた。
もっとかっぱえびせんを食べたいのだろうか、一羽のカモメが私たちの周りを旋回し続けている。
そのカモメに『食いしん坊ちゃん』と勝手に名前を付けてみた。オスなのか、メスなのかはわからない。
甲高い鳴き声を上げながら、私たちの周りを旋回し続けている食いしん坊ちゃんの顔をアップで撮ってみた。
額に、薄い灰色の丸のような模様がある。
「かっぱえびせん! もうないのよ!」
食いしん坊ちゃんに向かって叫んでみた。
かっぱえびせんがないことがわかったのか、食いしん坊ちゃんは、甲高い鳴き声を上げて、群れに戻っていった。
食いしん坊ちゃん、またね。
手を振りながら、心の中でつぶやいた。
野球帽の男の子も手を振っている。
カモメと仲良くなれた気がして嬉しい。
私もお腹が減ってきた。
この近くに、かもめ食堂があればいいなって思う。