透き通る季節の中で
 一月四日、火曜日。

 姉さんとちゃとらんとまなちゃんさんがお見舞いに来てくれた。

 私が入院していることは、美咲から聞いたとのこと。

 ちゃとらんは、姉さんのリュックサックの中から、ちょこんと顔を出している。

 私が書いた本です。よかったら、読んでみてください。と言って、まなちゃんさんが本をプレゼントしてくれた。

 まなちゃんさんは、有名なベストセラー作家だという。

 姉さんとちゃんとらんは『元気になるおまじない』というタイトルの歌を歌ってくれた。

 咲樹ちゃんが退院するまで、まなちゃん家にいるから、いつでも連絡してね。またお見舞いに来るからね。姉さんが笑顔で言ってくれた。



 一月二十七日、木曜日。

 編み物が完成した。

 美咲は、赤色のセーター。

 友紀は、白色のマフラー。

 まっちゃんは、オレンジ色の靴下。
 
 せめてもの恩返し。

 お見舞いに来てくれたとき、プレゼントしようと思う。

 

 二月十四日、バレンタインデー。

 いつどこで誰に聞いたのか?

 空の下の笑顔の駄菓子屋さんの、お姉さんと妹さんがお見舞いに来てくれた。

 チョコっと食べて元気になってください。とお姉さん。

 つぶつぶ太郎をいっぱい食べてください。と妹さん。

 チョコっと太郎とつぶつぶ太郎を百個ずつプレゼントしてくれた。
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