透き通る季節の中で
 夜の八時に閉店。

 疲れたけど、楽しかった。

 いろんなお客さんと触れ合えたから。

 今日は、亀の手ラーメンが五十八杯も売れた。

 明日は、もっと売れればいいと思う。

「どうもお疲れ様」

「お疲れ様でした」

「明日は、どこに行くんだい?」

「白谷雲水峡に行こうかと思っています」

「そうかい。のんびり楽しんでおいで」

「はい」

 エプロンを脱いで、おかみさんとおじさんに頭を下げて、裏口から出た。

 星空を見上げながら、のんびり歩いて、自宅のアパートに帰宅。

 ゆっくりとお風呂に入って、一日の疲れを癒す。

 今日の夕食は、屋久島名物のトビウオのお刺身とから揚げとご飯とお味噌汁。

 美味しいものを食べられる喜びに感謝して、いただきます。

 まなちゃんさんがプレゼントしてくれた本を読み返して、何も考えないように言い聞かせながら、眠りに就く。

 自分に、おやすみなさい。
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