透き通る季節の中で
 白谷雲水峡の森を満喫した後は、漁港の周辺を散歩する。

 日没までの一時間くらい。

 カメラを片手にぶらぶらと。

「こんにちは。何が釣れましたか?」
 釣り人さんに話し掛けることが、すっかり日課になった。

「アジとカンパチとメジナとオジサンとトビウオが釣れました」

「大漁ですね。クーラーボックスに入っている魚の写真を撮ってもいいですか?」

「いいですよ」

 釣りたてホヤホヤのお魚ちゃんたち。

 どのお魚も見るからに美味しそう。

 髭の長いオジサンの顔をズームでパシャ!



 お魚の写真を撮った後は、防波堤に座って、心地よい潮風を感じながら、海と空を眺める。

 そうしているうちに、日が沈む。

 ここぞとばかりに、水平線に沈む美しい夕日の写真を撮りまくる。

 こうして、私の休日が終わる。

 奇跡的に助かった命。

 明日も精一杯、生きようと思う。
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