透き通る季節の中で
「このまま続けられそう?」
「はい。なんとか頑張ってみます」
「うん。じゃあ、明日からもよろしくね」
 中村さんは元気な様子で家に向かって走り始めた。
「どうもお疲れ様でした。さようなら」
 私は中村さんに向かって手を振った。

 中村さんは私の方に振り返り、笑顔で手を振ってくれた。


「咲樹! また明日ね!」
 中村さんが大きな声で私の名前を呼んでくれた。
「はい、また明日です」
 私は嬉しさを抑えながら、小さな声で返事をした。

 再び家に向かって走り始めた中村さんの後ろ姿が眩しく見える。
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