透き通る季節の中で
「それでは位置について! よーい! スタート!」
 

 美咲と友紀は、スタート直後から勢いよく飛び出していった。
 二人とも脚力と体力に自信があるから出来ること。
 
 私は美咲に言われたとおり、自分のペースで走ることにした。
 最初から無理に飛ばしていくのではなく、折り返し地点までは自分のペースを保って走り、折り返し地点を過ぎてから、徐々にペースを上げていく作戦。

 美咲と友紀の姿はあっという間に見えなくなってしまった。
 私の前には大勢の人が走っている。
 ここで焦って走ってはいけない。
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