透き通る季節の中で
 中学生活最後のマラソン大会の結果は、三年連続で美咲が一位。友紀が二位。私が三位。

 私はすごく嬉しかったけど、友紀はものすごく悔しそうにしている。

「高校のマラソン大会は絶対に負けないからね!」
 友紀がものすごい大きな声で叫んだ。
「他の大会でもあたしに勝てなかったくせに、ずいぶん威勢がいいわね」
 美咲は余裕の表情。
「この三人で、ワン・ツー・スリーフィニッシュを続けるためには、三人揃って合格しないとね」
「そ、そうだね」
「う、うん……」
 私のひと言で、友紀も美咲も大人しくなってしまった。

 三年生はそろそろ引退。
 もうすぐ卒業。
 その前に、受験という大きな山を乗り越えなければならない。
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