天満堂へようこそ
天満堂エプロンをつけさせ、簡単なレジ打ちを教え、
処方箋や薬に関することだけ回すように指示し、
薬を作りに二階へ上がる。

極力自分の配下においたものの声は聞きたくはないが、
狭い家なので聞こえてくるものはしょうがない。

「俺奏太って言うんだ...って聞こえる?」

「声に出さなくても聞こえるよ?
あ、でも人間だから普通に話した方がいいのかなぁ?」

「かもな...
ばぁちゃんの家で生まれたんだろ?
俺のことって覚えてる?」

「うん。
僕だけママのミルクないときに飲ませてくれた」

「おぉ、あの一番のちびっこかぁ。
それにしてはお前ちっこくね?」

「わかんないけど...
僕このままでいいよ?」

「そうなのか。
そういえばさ、昨日この店休みだったじゃん。
商店街のおっちゃん来てたぞ?
なんか周りもみんな店閉めてるし。ここどうするんだ?」

「姫に聞かないとわからないよ」

「姫って誰?」

「結月ちゃん」

「どうすればあれが姫...」
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