天満堂へようこそ
商店街の一角にある流行っていない今にもつぶれそうな薬屋。
高級食材など商店街にあるはずもなく、一番いい肉ばかり買っても怪しまれるので、
朝のうちに買い付けに行っている。

近所で買うのは酒屋でビールやウイスキー、調味料など。
八百屋と鮮魚店では普通に秋刀魚なども買う。
精肉店では安い細切れなどを買うが、最近ではその肉はムー用になっている。

「まぁ、貧乏暮らしの様に振る舞ってはいる」

「もっといいところに住めば?」

「考えたんだが...
街中に行くと確かに儲かるだろうがな、それはそれで薬局だけとはいかないんだ。
一応医師免許など色々持ってはいるんだが...」

「それ、どうやってんの?」

「幻界のやつがいてな、うまくその時に合わせた証明書を作ってくれる」

「で?」

「街では美容外科やエステが今はもうけれるだろう。
あるていど、サプリとして効果のある痩せ薬を混ぜたら儲かるだろうがな。
人間を雇うのが面倒だ。
だから薬屋だけでいいと思ってるよ。
住みかもあるしな」
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