天満堂へようこそ
「お前はハイしか言わんのか?
まぁいい、慣れろ。
ここには色んな客が来る。
噛めと言ったら噛めよ?」

「ここはお客さんが...」

「なに、人間の客には尻尾を振っていろ。
臭いでわかる」

暫くすると突然ガラッと店の扉が開く。

「ムー、噛め!」

「えぇ?さっそく?」そう言いながらも噛みに行く。
可愛い奴だ。

「おい!なんだこの犬は。

離さんか!」

「離さなくてもよいぞ」

「バカか!
遠くから来たと言うのにお前は!」

「仕方ない離してやれ」

怖かったのか走って戻ってくる。
ごほうびにクッキーをあげながら
「遅かったの」と声をかける。
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