ろ う そ く

ロビーまで出るとさっきの椅子に、まだ武山は座ってた。


「あれ、武山。
まだおったん?」


「待ってた。」



…そんな事するから、私はあんたのこと忘れられへんねんやん…。



「そっか。」



「それより桜庭、
おじいちゃんとかは?」


「先、帰られてた。笑」


私は情けなく笑った。



「武山のおじいちゃんに『今は皆、ありのままの自分に飽きたりするんですよ。』って言っといたで!!」



「も~。
よけーな事言うなゆうたやーん。」


「ハハハ。」


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