ろ う そ く

武山はいつもこうやった。

小学校の時も、誰かが殴り合い始めたらこうやって止めに行ってた。

昔から強いんやなぁ…。



「どうでもいいからさっさとどっか行け!!」


武山が男子たちに向かって怒鳴った。



すると男子たちは、チャリに乗って退散した。


そして呆れた顔で、裕史に言われた。


「お前、相変わらず喧嘩っ早いな。
犬の散歩行こうと思ったらお前とあいつらがおったから、いじめられてるんかと思ったやん。」


「だってー。」


「相手が男やのに、食らいつくからあかんねん。」


「ごめん…。」


「あいつら本気になったら女相手でもヤバいから、気ぃつけや?」


私は武山を見ると、安心して抱き付いてた。


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