ろ う そ く


「うちも、おんなじような気持ちやった。」



「…え? 」



「うちもずっと裕史のこと忘れられへんかったし、それを伝える勇気すらなかったし。」



「ほんまに?」



「うん。」




うちら、似た者同士、2人して空回りしてたんやな…。


今考えたら笑えてくる。



あの時、お互いどっちかが「やり直そう」って言ってたら…


意地なんか張らんと、話しかけてたら…



今はもうちょっと、楽やったやろう。



< 164 / 221 >

この作品をシェア

pagetop