天満堂へようこそ -2-
王子と言ってもすることは沢山ある。
今まではほとんど父か行っていたが、最近ではそのいくつかが回ってくるので、午前中は色々な対応に追われてしまう。

昼過ぎに同じ食事を持っていく。
天界ではよく食べられている一般食だ。

ガチャガチャ
ガチャガチャガチャガチャ……

奏太が起きたのだろう、出ようと扉の確認をしているのだろうが、鍵はしっかりとかけてある。

鍵を開け中に入ると「…………リアムさん?」と問いかけられるので、「体調はいかがですか?」と聞く。

「頭が痛くて。ここ何処ですか?それにこの服」

「ここは天界の王宮の地下です」

「え?」

「奏太さんが眠られた後にお連れしました」

「だって、どちらにも連れていく気は無いって……」

「最初は。ですが、私には確信に似たものがありました。ですので魔界に渡すわけにはいかないとこちらに」

「そんな!みんな心配してると思うし、今なら買い物にでも行ったって言えば……
どれだけ時間たってるの?」

「あちらではもう夕方に近いかと。まずは食事を。まだ誰にも知らせていません。王にも。ですので安心してこちらにいて下さい」
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