天満堂へようこそ -2-
「これだけは待てません。早く王の庇護下に入っていただかないと」

「仮に俺がその王子だとして、また幽閉のような環境で暮らすってこと?」

「天界からは出れませんが、庭付きの家でお暮らしできるように取り計らいます。ただし、監視下の元での生活となりますが」

「それはごめんだ。なんで結月さんの言い分とか聞かずに勝手にしたんだよ?一度俺を帰らせてくれ!」

「なりません」と部屋を出ていく。

ガチャリと音がしたのでまた鍵をかけられたのだろう......

それからは毎日3回食事は兵隊が運んできて、リアムが一向に姿を見せない日が続き、兵に外に出たいと言っても何を言っても取り次いでももらえず、唯一の抵抗と思い食事を摂るのをやめた。

頭もボーッとし、ずっとベッドから動けないでいる毎日。
時折兵が何かを話しかけてくるが、返事すらできない。
どれだけに時間がたったのかが全く分からないまま、眠りにつくしかなかった。
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