天満堂へようこそ -2-
*****

奏太がいなくなって1ヶ月が過ぎた。やっとの事でリアムが連れ出したと確信できたときには、既に二週間が経過しており、自分の中で一つの恐ろしさが頭をよぎる。

元々天界で育ったのだろうが、いつから人間界に来ているのか分からない。
定期的にいったり来たりしている我々と違い、なれない環境でずっと天界にいたら、時間の流れが奏太だけ普通と感覚がずれてしまう。

こちらでの一日はあちらでの一日と時間の流れが異なるので、向こうでの一週間は、人間界では5日。三週間もいれば普通ならば約一ヶ月。
だが、今人間に近い奏太にとってはその一ヶ月は三倍の早さで体に異変が来るだろう。

考えに考えてだした答えは、奏太を助けること!
細かいことは後で何とでもすればい。

「ルーカス今から魔界の王座まで魔方陣を展開する!ムーを抱いて私の後ろにいてくれ」
「了解!って出来んのかよ!」
「バカにするな。行くぞ?」

そう言った次の瞬間には淡い光に包まれ目を開けると食事中のマー坊。魔王の元へと姿を表していた。
< 114 / 196 >

この作品をシェア

pagetop