天満堂へようこそ -2-
ルーカスだけ別宅の自分の屋敷に残し、城へと急ぐ。

兵は何事だと言った感じだったが、先にユーリをお送り込んでいたため、話しは早くすみそうだ。

「もう、そんなに慌てて。ユーリから聞きました」

「で?どれぐらい経つんだ?」

「私が聞いたのは300年前だったと記憶してるわ。その頃大騒ぎになったもの。
だから、あなたの考える通り、その子はあなたの弟。ただ、人間界が長いから、記憶もなくなっているようだけれど、あなたと同じ魔力の持ち主で、相当の使い手になったと聞いてはいるわ。時間感覚もあなたの思っていることは当たっていると思うの。でも、天界の王も捕まえるつもりはなかったはずよ?
前にそう言っていたから」

「許可を」

「いいわ。ここへ連れ帰りなさい。それが条件」

「その時には全部話してもらうからな!」

そう言い乱暴に出ていく。
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