天満堂へようこそ -2-
「元々は王宮の魔術師だったのよ。ほら、貴方が迷子になった所の研究していた方のお弟子さん」

「まず、迷子じゃない!少し本を読み耽っていただけだ!」

「迷子だろ?一年もいなくなりやがって」

「ルーちゃん煩い!」

「ルーちゃん言うな!
だが、どうやって抜けた?魔界に近いならば魔界にも幻界にも知られず。勿論、策はしてあったんだろう?」

「子供だったし、まさか乳母が連れ出すとは思わなくて」

「それで、魔界・天界・幻界で話し合った結果がこれだ」と王は下を向く。

「リアムにはなんて言ったんだ?」

「奏太が、探している子かも知れんと。自分の魅惑や、ルーカスの脅しが全く効かず、結月の薬も効きにくいと聞いた時に」

「脅しじゃねぇ……」

「その時に話したのか?」

「そうだ。まさか、そんな考えにたどり着くとは思わなんだ。許してくれ」
< 138 / 196 >

この作品をシェア

pagetop