天満堂へようこそ -2-
「まってってばー」

この辺りから聞こえるが......
声は近くにあるものの姿が見えない。街頭も多く真っ暗ではないが夜になっているのでかなり寒い。

ガサガサ音のするほうを見ると、ムーがこっちに寄ってくる。
体には葉っぱがいっぱいくっついているのでそれを取りながら何処にいってたのか聞く。

「あのね、小さい人見つけたんだよ。で、追いかけてたの」

小さい人?
小さい人って言えばドワーフのおじさんしか考えられないが、人間の格好で何回か宝石の元になる石を買い取った。この半年は今は結月が居ないのでと断りをいれてあるので、ここら辺にいることがおかしい。

「なぁ、どんな小さい人?」

「羽があるの。飛んでたよ」

ムーにリードをつけてマンションまで帰りながら小さい人の話をムーが必死になって話していたが、見たことのない俺はある童話を思い出しながら部屋の鍵を開ける。
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