天満堂へようこそ -2-
「くそっ!ルーカス聞こえてるか?」

「姫、心音が下がってます、それに出血も抑えきれません!」

「回復魔法でなんとかならないか?」

「やっていますが無理です!」

落ち着け、考えろ。
何かあるはずだ......
動脈の方は傷つけてはいないはずだ。やはり魔方陣か......
今はユーリに任せるしかない。
だが、人間界のように輸血という手段はこちらにはない......

「とにかく縫ってください!あとは縫合だけなのでしょう?魔方陣もあと少しなんです」

「わ......わかった」そう言い縫おうとするが手が震えて上手くできない。

いつまでも、腹を開いたままにしておくことはできない。
頭ではわかっているが......

「姫!」

「わかってる!
ルーカス、頼む。もうすぐ終わるから頑張ってくれ!」

そう言い腸の縫合を終え、腹も元通りに縫う。
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