天満堂へようこそ -2-
「この紙に書いてある図形を部屋に書いて待つように。書く場所は自分の部屋と伝言です。」

じっと紙を見るが書けないわけではない。真似すれば書けるだろうが時間がかかりそうなほど複雑だ。

「これだけのために?」

「多分、こっそりと私を出してくれたので何か考えがあるんだと思うんですけど」

「だよね。わかった仕事の合間に書くよ。書いたあとはどうしたら良いか知ってる?」

「わかりません。私たち妖精は魔方陣など使いませんので」

「そっか、ユーリさんにお礼いっといてね。後、俺たち元気にしてますのでって」

コクリとうなずく彼女に帰りはどうするのか訪ねると、ゲートまで行けば帰れるとの事だったので、そこまでムーと送ることにした。
駅は近いので歩いてゲートまで行くが自転車置き場なだけで何もない。

「僕もここから帰ってきたよ」

ではまた、と壁に吸い込まれるように妖精さんは帰っていった。その壁をさわってみるが何もないただの壁。
多分向こうの人しか使えないんだろうと店に行くために来た道を戻る。
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