天満堂へようこそ -2-
「ええ、今城にて手当を受けております。先にこちらの片付けが必要かと思いまして」

「本当ですか?手当って怪我してるんですか?」

「腕の骨折程度て済んで良かったです。左手だけで魔法陣を書いたのでしょうが、完全には骨がくっついて居なかったので、あとは自然治癒を待つのみです」

「よかった……」と床にヘタリ込んでしまう。

「姫はいつ帰ってくるのー?」

「まず、奏太さんに書いてもらった魔法陣は、このビルの結界を抜け特定の場所に出るためのもの。書いた人間の許可がある場所、この場合奏太さんは部屋に書くだろうと姫がおっしゃいましたので」

「条件みたいなのがあるんだ?」

「そうです。的中でしたが。私が先に来たのは姫を通すために、魔法陣を姫の部屋に書きに行くためでもあります。」
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