天満堂へようこそ -2-
「これ凄いね……」

「食べれそう?」

「それは大丈夫なんだけど、すっごい視線感じる……」

そう言って外を見るので釣られて見たら、しっかりムーがお座りしている。ドッグランのコースの中で。

「何だあれ?」

「私、近場なら集中しなくても気配や声や色々分かるんだけど、うちの白(はく)並に食い意地張ってる気がする」

「ドラゴンの?」

「うん。いつも厨房に行って何か食べてるよ……」

「へぇ。ムーもよく食べるから、ブックブクだよ?あいつよく気づいたな」

「奏太君も結月さんから話せる様に薬飲まされたんでしょ?そういう薬って考えるだけで伝わるって知ってるよね?そのせいだと思うけど」

「俺、いまいち分かってなくてさ、魔界の王子や天界の王子にも言われたんだけど、飲まされた薬のおかげで言葉が通じてるんだって」

「私達はまたやり方が違うけど、同じようなもんだね。vampireではテレパシーって言って、みんなとも個人だけとも話せるけど」

「俺も出来るかな?」
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