天満堂へようこそ -2-
「飲め!」

「なんか、すっごく嫌だ!」と後ずさりするのに近づいてくる姿は魔女より怖いかもしれない。

「飲め!無味無臭だ。これで血の匂いは消えるだろう」

腹をくくり、手に取ったビーカーから一気に変な液体を飲む。
つい顔に力が入ったのか、ニヤニヤ笑われる。

「一時間もすれば体全体に広がり、美味しい匂いは消える。副作用は……人によって様々だ!」

「はぁぁぁ?」

「私とムー、ユーリも飲んだが、ムーは今寝込んでる。私とユーリに変化は無い」

「え?ムー大丈夫なの?」

「心配いらん。飲ませ過ぎただけだ。だがこれで、人外に目をつけられることもなくなる。全員な」

それは有難いが、「あの大鍋って……中身は……」

「各界の、トカゲの尻尾に、水・鳥の羽根・団子虫に似た……」

「やめて!すいません!耳が遠くなりそうです!」

「そうか?まぁ、今日はどんな症状が出るかわからん。ゆっくり休め」

「そうしたいんですけど、店は?」
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