天満堂へようこそ -2-
何とか一日引き止め泊まってもらったが、朝食の時には二人共もう居なかった。

「俺なんだかんだと良くしてもらったのに、お礼もできてないよ」

「あのまま居てもまたコキ使われるだけでしょうし。私ではあの奥様方を引きつけるのは難しいですから」

「そんな事ないよ。俺ももうちょっと背が高くて、ハーフっぽい顔だったらなぁ」

「なんだ?奏太は整形希望か?だったら薬を……」
「要りません!」

「全くお前達は。奏太、お前休みの間に髪切ってこい……いや、私が」
「ご馳走様でした!散歩のあと行ってきます!」

そう言い、ムーと一緒に散歩に出る。

「ムー俺さ、後四日休みだから、いつもと違うコースで散歩してみないか?」

「いいよ。でもどこ行くの?」

「看板に池ってあったと思うんだよなー」と公園前の看板までくる。

現在地を確かめると、いつも行っているドッグランの先に池があり、ボートの描かかれていた。
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