夕日とキミとワタシ【中編】
領が笑わなくなった理由。




それは私や蓮でもわからない。


それに、領のお父さんと
お母さんでさえもわからないらしい・・・。










---まだ私達が中学3年生の、
進路に悩んでいるときだった。





領は私や蓮に比べて遥かに頭がよくて、
成績もいい。




だから、もっとランクの高い進学校に行くと
自分から言っていた。





でも、願書を出しに行く当日のこと。





領はいつもと違って真顔だった。



「どうしたの、領!願書出しに行くだけなのに緊張してんのっ?」



「バッカだなー!本番は3週間後だぜ?」



「…電車、3番線じゃないの?」



「うん!領とはここでバイバイだねっ。
 もっとリラックスしなよ!ほら笑ってっ!」




そういって私は領のホッペをギュッとつねった。



いつもだったら痛がって私にやり返してこようとするのに、



その日は違った。


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