SNOW
そんな人々をミランカスターの兵が戸惑うことなく剣で斬り殺した。

断末魔の叫びがどこからも聞こえる。

死体、火、血、叫び声。

それらは世界三大都市に数えられるニザームの都の今を象徴するものだった。

「ジェミラス、人間の最期というものは面白いものだな。それには火がよく似合う」

燃え盛る炎で赤黒く染まるニザームの都をアークは満足げに眺める。

「はい。そうですね」

ジェミラスは相づちを打つが、本当は耳をふさいであのむごい絶叫を聞くのを防ぎたかった。

人々の叫び声が聞こえてくる度に彼の胸は痛んだ。

「ここはサロールに与えよう」

アークの言葉にジェミラスは耳を疑った。
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