SNOW
「私は機会を与えただけだ。サロールの件、賛成してくれるな?」
ひざまずくジェミラスを面白そうに眺めながら、アークは穏やかな声で同意を求める。
「はい。御意のままに」
ジェミラスはそう答えてふと顔を上げてアークの方を見ると、アークはどこか遠くを見ていた。
その姿は先程の高笑いしていた時とは正反対で、炎の中で静かに輝くサファイアを見ているようだった。
自分の腰よりも長く美しい金髪を編み込んで、黒い甲冑に身を包み、そして顔には仮面をしているアーク。
アークの瞳の色はエメラルド色ということを知っていたが、ジェミラスは一度でいいから彼の素顔を見てみたかった。
「アーク王!」
突然、怒りに満ちたかん高い声がして、周囲は騒然となった。
多くの兵の間をすり抜けるように駆け抜け、漆黒の髪をした少年が目にも止まらぬ速さでアーク王目掛けて襲い掛かる。
だが、ジェミラスが咄嗟に反応して少年の手から短剣を奪って取り押さえ、彼のアーク王暗殺計画はアークにあと数十センチというところで呆気なく失敗に終わった。
ひざまずくジェミラスを面白そうに眺めながら、アークは穏やかな声で同意を求める。
「はい。御意のままに」
ジェミラスはそう答えてふと顔を上げてアークの方を見ると、アークはどこか遠くを見ていた。
その姿は先程の高笑いしていた時とは正反対で、炎の中で静かに輝くサファイアを見ているようだった。
自分の腰よりも長く美しい金髪を編み込んで、黒い甲冑に身を包み、そして顔には仮面をしているアーク。
アークの瞳の色はエメラルド色ということを知っていたが、ジェミラスは一度でいいから彼の素顔を見てみたかった。
「アーク王!」
突然、怒りに満ちたかん高い声がして、周囲は騒然となった。
多くの兵の間をすり抜けるように駆け抜け、漆黒の髪をした少年が目にも止まらぬ速さでアーク王目掛けて襲い掛かる。
だが、ジェミラスが咄嗟に反応して少年の手から短剣を奪って取り押さえ、彼のアーク王暗殺計画はアークにあと数十センチというところで呆気なく失敗に終わった。