難波少女、千佳
うちは無意識にいつの間にか家のベランダに居った。
12階やから、確実に死ねる。

なぁ、春。うちは死ぬねんで。

嬉しいやろ?邪魔者消えて。

うちに対する怒りも無くなって、お互い楽になるねんで。

その思いを空にぶつけて、落ちた。



☆春美



〔ピーポーパーポー、救急車が通ります。ご注意ください。〕


滅多に通らない救急車が、数台通った。

どしたんやろ。

そんなことを思いながらも、ちーのこと思い出す。

爽君と話してる、ちー。
顔を赤くして楽しそうに話してた。

むかつく、悔しい!!


ちーは、わざとじゃないってわかってる。

でも、怒りは収まらない。同じクラスの仔にも愚痴を言った。


サイテーじゃん、思い切りいっちゃえ。と言われ、帰りにちーに自分の気持ちをぶつけた。

むっちゃ、疵付いた顔してた。


ざまーミロって感じ。


そのとき、

ドタドタドタ、ばんっ

勢い良くドアが開いた。




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