難波少女、千佳
「おいで?こっちだよ。」
いきなり、目の前に男の子が現れた。
あっ、この仔知ってる。
でも誰だっけ?
知ってるようで知らない。誰?
「大丈夫、俺についてきて。」
そう言うと、手を差し出してきた。
「うん・・」
一言言うと、男の子の手の上にそっと手を置いた。
すると、嬉しそうにスキップしながらどんどん先に進んで行った。
しばらくすると、いや時間は経ってないかもしれない。が、少し先に眩い光が見える。
その光を見つけたのか男の子は、いきなり走り出した。
『待って、待って。』
『早く、出口だよ。』
急かしながらも、優しく声をかけてくれる。
この笑顔どこかで見た。
『あなたは誰?』
『え?俺は・・』
と、同時に光に包まれた。出口を出たのだ。