難波少女、千佳


「おいで?こっちだよ。」

いきなり、目の前に男の子が現れた。

あっ、この仔知ってる。
でも誰だっけ?

知ってるようで知らない。誰?


「大丈夫、俺についてきて。」


そう言うと、手を差し出してきた。



「うん・・」

一言言うと、男の子の手の上にそっと手を置いた。


すると、嬉しそうにスキップしながらどんどん先に進んで行った。


しばらくすると、いや時間は経ってないかもしれない。が、少し先に眩い光が見える。


その光を見つけたのか男の子は、いきなり走り出した。

『待って、待って。』


『早く、出口だよ。』


急かしながらも、優しく声をかけてくれる。
この笑顔どこかで見た。

『あなたは誰?』

『え?俺は・・』



と、同時に光に包まれた。出口を出たのだ。
< 23 / 41 >

この作品をシェア

pagetop