難波少女、千佳

素直

「そんなこと言われても、わかんないよ。」

うちは、思い出そうと必死になったがやっぱり思い出せない。
何か胸にぽっかり穴が開いた気分だ。


「と、とにかく。先生呼んでくるね。」

慌てながらも、冷静に行動しようとしてるお母さんを見て笑いそうになった。



―「そうですねぇ。脳に異常は何もありません。記憶が抜けているには、何か嫌な記憶があったのではないでしょうか?」


と、先生は推理した。まぁ、自殺しようとしたのは事実だから否定はしない。

でも、その理由がわからない。
もしかしたら、はるちゃんって仔に関係があるかもっ


「あのー・・春ちゃんって仔に会ってもいいですか?」


先生は驚いた顔をしたが、
「今は止めときなさい。学校に行ってからね。」
と言い、病室を出て行った。


「・・・」

「・・・」


無言。話題がない。


「あのね、思ったんやけど春ちゃんのお母さんに会わない?命の恩人やし。ね?」

沈黙を破ったのは、お母さんだった。

確かに。まだ、お礼言ってないもんなぁ~


「うん。」

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