難波少女、千佳

「そーだよね、大変だね。」


とか、何とか独り言のようにつぶやいてる。何か嬉しそうだ。

「体調悪いんかな。今日、家に訪ねてみよ。」


と、少し低めの声でつぶやいた。

坂井にはバレてないみたいや。もし、バレたら「うちも一緒に行く~」とか言われそうやし?


そのとき、


「おーい、みんな席に着けよ~」


いつもハイテンションの担任桜井、だったっけ?とにかく、担任が教室に入ってきた。



「あっ、先生や。坂井さんも席着きや。んじゃ」


うざったそうな顔をした、坂井に声をかけた。
ってか、ずっと一緒に話してたけど。


「あれ~?号令はぁ、まだか!?」


変に高い声で裏がありそうな笑顔で俺の方を見てきた。


「きりーつ。礼!!おはようございまぁす。」


『おはようございまぁす』

クラスのみんなも俺の真似をして、挨拶をした。

「着席。」


それから先生は何か話してたが、俺は保岡のことを考えていた。
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