難波少女、千佳
「入学式から変わってないなぁ~」


うちが、変なこと言うてるのに気づいてない?
この人。


「あ、そーいえば何で学代のこと知らんの!?もしかして、記憶なくなった?」


笑いながら、冗談のように言ったがうちには冗談に聞こえへんかった。


「え、まじ!?」

うちの表情に気づいたのか、心配そうに聞く。

こんなときに嘘ついても意味ないと思ったから、小さく頷いた。


「まじで~!?やばいやん。じゃぁ、何で入院してるかわからへんの!?」


ううんと、小さく首を振る。

「そっか。大丈夫?」


「へ?あ、う、うん。」


かみまくりのうち。

だって、いきなりうちの顔覗いて優しい言葉かけるなんて
ずるいやろ。

たぶん、うちの顔は赤いと思う。


「顔赤いで~可愛い♪」


わざわざ、言わんでも。

「う、うるさいっ」



そのとき・・

ちゅっ
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