難波少女、千佳
うちの唇に暖かいものが当たった。
突然のことに頭がついてかない。
爽君は余裕の顔でニコっと笑った。
だめだよ、その笑顔!!
「もらっちゃった、千佳ちゃんの唇♪」
?!!何言ってんのぉ、そんなこと言うからもっと顔が赤なったやん。
「有り得ないぃ~って・・んん・・」
いきなりまた、キスをしてきた。
このとき一瞬で中学の記憶が戻った。
そう、初の彼氏と付き合っていた頃の。
あかんっ
胸が焼けるような気持ちになった。
「やめて!!」
無意識に爽君の唇を噛んでしまった。
「ってぇ。え!?あ、ごめん。大丈夫?」
こんなときに、優しい言葉とかせこいし。
自然に涙が流れてきた。