禁断の果実を口にするまで

「悟たちより姉さんたと一緒に帰りたい。たまにぐらいだし、嫌だった?」


「嫌じゃあないけど…お友達さんにも悪いし…」


「平気だよ。姉さんは気にしなくていいよ」


「そ、そう。わかったーー」


「じゃあ、僕はここだから帰りまた連絡してね、姉さん」


「うん、学校頑張って!」


改札に入っていく弟の背中を見送りながらさっき弟が言った言葉を思い出す



“悟たちより姉さんと”………悟たち、より、姉さん、と……きゃああああああああああ!!!
リピートしなくていい!リピートしなくていいから!!!
何だったのあの甘い顔は…姉の私でも流石にドキッとしちゃうよ…友達より私を選んでくれるのは嬉しいけど…!!それよりあの子は一体いつからシスコンになったの!?


ーーーそう考えながら改札を通って大学までの道のりに揺られた
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