君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
その人達を呼び寄せるために動物の着ぐるみを着たりチャイナ服を着たりして宣伝したりと、あの手この手で誘っていて。
まさに文化祭って雰囲気で、皆楽しそうに笑ってる。
でも俺は、なんかそういう気分になれなくて。おいてけぼりをくらった感覚。
宣伝はきっちりやらないと怒られそうだからやっておくけど。
「2-Bでお化け屋敷やってまーす!来てください」
「あのっ、2-Bってどこですか?」
「私達も分かんなくてぇ~、連れてってください!」
他校の女子数人に取り囲まれて身動きがとれなくなる。
2-Bは数メートル後ろにあります、とは言えず『着いてきて』と案内する。
「ここがお化け屋敷の受付けです」
「ええーもう行っちゃうんですか?!」
「一緒に入ってくださいよ」
「はは、そういうサービスはしてないんで」
ここで長引くと厄介だと思い、話を切り上げて宣伝に戻る。次は1年の階に行ってみるか。
階段をおりて廊下を進もうとしたら。
「きゃぁー!?永瀬先輩、何でここにいるんですか!」