君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
ギャルソン姿がバッチリ決まってる類が手を振ってきた。
「俺宣伝係だからさ。しっかり役目を果たさないと」
「伊織が声かければ誰でも来るっしょ!」
類は作り込んだキャラで喋る。立ち振る舞いから何までそのキャラに合わせているから器用だ。
「類のクラスは喫茶店?」
「イェス!男はギャルソン女子はメイド服でやってんの」
「そっちもたくさん人来てるじゃん」
「定番だしな。休憩にちょうどいいし」
「俺もあとで行こうかな」
「……伊織、こっち」
こそっと耳元で呟いて俺の腕を掴み、階段を上ってから角を曲がる。
周りからは死角で俺達の姿は見えない。
「類、急にどうしたんだよ」
「伊織、何かあった?」