君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】


いやそんなわけない。


前に類に言われた言葉を思い出す、『揺らいでいい』って。それは先輩が言う変化と関係があるのか。


「…………」


宣伝するのも忘れて2階へ戻ってきてしまった。


森野さんはまだ1階で宣伝中か、と周りを見渡すとお化け屋敷の看板が視界に入った。


森野さんも2階に来てたんだ、と声をかけようとしたけど。


「なんだ、あれ」


森野さんの周りを他校の男子が数人で囲んでいた。


雰囲気的に知り合いじゃなさそうだし道を聞いてる感じでもない。


文化祭のノリで話しかけるにしても、森野さんの肩に手を置いてぎゃははと笑いながら一方的に話すのは、なんか。


森野さん、困ってるじゃん。


気づいたら駆け出して『森野さん!』と名前を呼んで手を掴んでいた。


「は、あんた誰。俺らがこの子と話してんの」


「お化け屋敷に案内してくれるっていうからさぁ」


ねっとりとして耳障りな笑い声。


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