君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】



「何でお前らにも許可とんなきゃいけないわけ!」


「当たり前でしょ!」


伊織君はわーわー騒ぐ皆を見て、小さく肩を揺らしくすくすと笑ってる。同時にミルクティー色の髪も揺れた。


あきらかに校則違反な髪色だけど、伊織君にはこの色がよく似合う。


「伊織は細いんだからもっと食べなきゃだよー」


「そうそう!柚月にあげてる場合じゃないって」


「俺と伊織大して変わんないけどな?」


「私達が心配なのは伊織なのー」


キャッキャとはしゃぎつつもうすぐ休憩時間が終わるからと自分の席へ戻っていった。


食べな、って勧めるのならお菓子じゃなくて野菜ジュースとかおにぎりとか、少しでも栄養がある食べ物をあげるべきだよね。


「類、はい」


「さんきゅー」


もらったばかりの箱をペりぺりと開けチョコを取り出して、柚月君の手の平に乗せた。


「ん!うまい。もう1個もーらい」

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