君と罪にキス【加筆修正・番外編追加】
伊織と亜紀、俺の3人は親同士が仲が良かったから一緒に遊ぶことも多かった。
それは小学校低学年のときから亜紀が一足先に中学に入った今でも変わらなくて。
今日も近所にある小さな公園に集まって喋っていた。
「姉ちゃん、美術部入るんだって?お母さんが言ってた」
伊織がギーギーと古びたブランコを揺らしながら、隣で同じようにブランコに乗る亜紀に聞く。
「そうよ。吹奏楽部や合唱部とも迷ったんだけど、結局美術部にしたの」
「姉ちゃんが描いた絵、小学校のときコンクールで入賞してたもんね!」
自分のことみたいに自慢気に笑う伊織。
「ふふ、入賞は運が良かったからよ」
「そんなことない!姉ちゃんの絵、すごいよ。な?類もそう思うだろ?」
「……俺も、上手だと思う……」
「ほら、類も上手だってさ」
「褒められると照れちゃうわ。ありがとう、類」
「お、俺は……別に」