ツンデレ地味子の両手に華?!
イケメンの男に声をかけられるなんて、生まれて初めての事で。

ただただ口をあんぐり開けて、そのイケメンを見上げたまま固まっていると。

その男は、迷わず私の眼鏡を取ってしまった。

「…ふーん、まずはこの眼鏡は没収だな」

その言葉にはっとした。

こ、これは、もしや、新手のナンパか?女なら誰でもいいのか?

私は何だか頭に来て、その男の眼鏡を奪い返した。

「…な、ナンパなら、他を当たれバカ男!!」

…パッチン!

見ず知らずの男の頬を思いっきり叩き、私はその場を立ち去る。

「…気に入った」


「…もう!最悪、最低男!」

ズカズカと歩いていると、誰かが私の腕を掴んだ。

「…いたっ!…!?」

…この男は。

「…離せ!痴漢!変態!」

「…ったく。アンタ、綺麗になりたいんだろ?」

「…それは」

…俯いてしまった。こんな男に聞かれたくなかった。

「…お前、自分が宝石の原石だって気づいてないんだな」

「…え?」

思わず顔をあげる。すると男はこの状況に似つかわしくないほど、優しい笑みを浮かべた。

「…お前は、綺麗だよ」

「…なっ」

口をパクパクさせていると。

「…美野里!なにしてんだよ、お前」

気がつけば、私はたけちゃんの腕の中に、すっぽり収まっていた。


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