ツンデレ地味子の両手に華?!
「いらっしゃいませ…お客様?」

…これまた、この男に負けないくらいのイケメンが私と男を交互に見る。

「こいつは俺の専属客」

真顔で言う男に、ギロッと、にらんで見せた。

「専属客って何よ?私は客じゃないわよ!ナンパ男」

私の物言いに、イケメン君が笑う。

「随分威勢のいい女の子だね」

…私は、顔を真っ赤にして顔を背けた。

そんな私のお構いなしで、一番奥のイスに座らされた。

「…髪、ホントに綺麗だな。カラーも、パーマもしたらいたんじまうな。トリートメントと、ヘッドマッサージかな」

「だから、違うって」

「黙れ!ここに来たってことがお前の答えだろ?」

「…」

何だか痛いところを突かれ、口ごもる。

「…俺はナンパ男じゃない。名刺見たろ?俺の名前は、三浦彰人だ」

手際よく作業しながら話していく。

「…私だって…お前じゃない」

「…名前は?…そういえば、美野里だったな」

…たけちゃんが、私を名前で呼んでたっけ。



「…眼鏡が邪魔だな」
「…あ!」

…取られてしまった。

不細工な顔なんて見られたくない。

「…明(あきら)シャンプーだけ頼む」

さっきのイケメン君がやって来た。明って言うらしい。

「…はいはい。それじゃあ、失礼しますね。…美野里ちゃんだっけ?」

「…はい」

「…初めてだよ。彰人さんが、専属客なんて、連れてきたの」


…私は耳を疑った。
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