ツンデレ地味子の両手に華?!
「…終わり」

何をされても変わらない。そう思い、目の前の鏡に目をやろうとしなかった。

彰人の言葉に、相変わらず鏡を見ることなく、立ち上がろうとした。

それがかんにさわったのか?

彰人は、私の両頬をガシッと掴むと、グイッと鏡に私の顔を向けた。

「…だ、れ、これ」

ボソッと呟くと、真後ろでクスッと、笑い声が聞こえた。

「うわぁ、やっぱ、綺麗だわ、美野里ちゃん」

ニョキッと、明が、鏡を覗きこんだ。

私はドギマギして、俯いた。

「…明戸締まり頼んでいいか?」

「…何か用でも?」

「…コイツ送ってくるから」

彰人の突然の提案に驚きを隠せない私と明は目を見合わせた。

「…い、いや!いいですから!あ、明さんこれ、お代です」

私は明に無造作にお金を預けると、逃げるように店を飛び出した。

彰人って、変な人だ。綺麗にしてやるとか、専属客とか。

私の事、オモチャかなんかと間違えてんだろうな。

早足で歩いていると、誰かにぶつかった。

「…す、すみません!」

そう言って頭を下げると、相手の顔を見て驚いた。

…と言うより、怖い。

ものっすごい怖いお兄さんたちなんですが。


「…君、可愛いね。俺らと今から、どっか行こうよ」

「…い、いえ!私は急用で急いでますので」

「まぁ、そう言わないでさ」

あーもー!なんでこんなことになるのかなー!
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